自信の正体とは?
自信とはずばり「自分で自分をどう評価しているか」、「自分という人間に対する思い込み」なのである。つまり自信は絶対的なものでない。だからこそ、思い込みを変えることで自信を育める。
自分には価値があると肯定的にとらえるか、それとも否定的に自分をとらえるかで、見える世界も変わってくる。例えば肯定的な捉え方をしている子どもにとっては、世界は楽しいものであり、他人の価値も素直に認めることができる。一方、自信がない子どもは、何か新しいことにチャレンジするにも足踏みしてしまい、成功の喜びを感じにくい状況にある。また、他人の価値も素直に認めることができず、常に他人への不満をもらしているような大人になるだろう。
子どもの自信は、親子関係から育まれると言っても過言ではない。子どもは、ありのままの自分を認めてもらい、温かい愛情に包まれることで、人と真に関係性を築くことができていると確信し、それが自信となっていく。そしてこうした子どもとの関係を確立するのが、他の誰でもない親なのである。
親が子どもに教えられるもの
勉強やスポーツなど、何かの分野で人よりも秀でていることは、子どもにとって自信となる。しかし親が子どもに教えられることの中で何よりも大事なものは、人間的な成長の大切さなのだ。
人より秀でることが出来なくても、結果が出せなくても、その過程を温かく見守り、そのことを通じて成長出来たことを大いに評価してあげることが大事なのだ。そして、それが愛するということでもあるのだ。
親から愛されて育った子どもは、生きる素晴らしさを、身をもって知っている。そのため、壁にぶつかっても自信を持って人生を歩むことができる。成功者として人から認められようが認められまいが関係ない。人に認められるためではなく、自分自身のために頑張れる子どもは、成功したときに心からの充足感を抱くことができる。
7つの致命的習慣、思いやりを示す7つの習慣
子どもは親の言葉だけでなく、親の普段の行動から、人の接し方や物事への対処の仕方を見習っていく。批判されて育った子どもは他人を批判するようになるし、文句ばかり言っている親に育てられた子どもは、すぐに文句を口にするようになる。親は子どものことが大事であるがゆえに、こうした7つの致命的な習慣を行使してしまう。
7つの致命的な習慣とは、
- 批判する
- 責める
- 文句を言う
- ガミガミ言う
- 脅す
- 罰する
- 自分の思い通りにしようとして褒美で釣る
という7つの行動を指す。これらの試みは一時的には効果がある。しかし、根本的に「人をコントロールしようとする性質」のため、この効果が持続することはない。
子どもは、「親からコントロールされている」と感じると、それを無視できずに葛藤を抱き、問題を避け、解決できないことを他人のせいにするようになる。こうして、人間関係が崩れていってしまう。
一方、思いやりを示し、人間関係を育む7つの習慣というものも存在する。それは以下の7つを指す。
- 傾聴する
- 支援する
- 励ます
- 尊重する
- 信頼する
- 受容する
- 意見の違いについて常に交渉する
これらの習慣が人間関係をよくするのは、それが『愛・所属の欲求』を満たすものだからだ。どんな自分でも受け入れてくれる、いつでも応援してくれる、そんな信頼感があるからこそ、親子は一緒にいるだけで幸せな気持ちになれる。もし7つの致命的習慣を使ってしまった場合でも、素直に謝ればいい。人間関係にプラスになる行動を選ぼうという意識が大事なのである。
自信過剰にならない『ほめ方。認め方』
子どもが頑張っていることに対してほめてあげたいが、それが自信過剰につながらないか不安に思う親もいるだろう。ほめるという行為は、7つの致命的な習慣の1つである「褒美で釣る」ことにつながりやすいため、無意識に相手を操作するようなことを言ってしまうこともある。
そのため、ほめるよりも事実を認め、それについての感想を率直に伝えるのがよいだろう。親から承認してもらえることで子どもは自己肯定感を高めていく。
また、子どもを素直に認められない時は、子ども目線に立つとよい。子どもなりにベストを尽くしていることに気づくはずだ。事実を認め、承認するというスタイルは、子どもとのコミュニケーションはもちろん、大人同士のコミュニケーションでも効果的だといえる。
子どもの習慣形成に必要なもの
子どもの習慣形成には親の忍耐と反復の両方が欠かせない。子どもが身につけたほうがいい習慣については、自発的に取り組めるように忍耐強く言葉をかけてあげる。また、子どもがきちんと実行できたときには、できた事実をきちんと承認することをくり返すうちに、良い習慣が身についていく。
感情のままに怒ってしまうのか、ぐっとこらえて親子の距離を縮める行動を取るのか、決めるのは自分次第だ。子どもと一緒に達成や成功を分かち合い、喜び合いたい。 子どもとの関係は対話のくり返しであり、100点満点の親など一人もいない。親にも意見があることを率直に伝えながら、子どもとの信頼関係の確立を第一にしたい。信頼関係から子どもの自己愛が育ち、他者を愛し、希望に満ちて過ごせるようになっていく。そんな子どもが増えていくことを願ってやまない。
