[中学でつまずかせないために、小学生のうちに家庭でできること]
早速チェック!
小学校の高学年までに、中学での勉強に備えた基礎学習能力をつけることが重要です。中学に行くのに、最低限身につけてほしい学力を20に整理した中学教師がいます。あの100マス計算で有名な陰山先生にも影響を与えた杉浦和彦先生の指標です。早速チェックしてみましょう!いくつ丸がつきますか?
- 国語辞典、漢和辞典が自在に使える。
- 主語、述語がわかる。
- 動詞、形容詞、名詞の使い分けができる。
- 教育漢字の9割が読め、8割が書ける。
- 詩歌やことわざのいくつかを暗唱した経験を持つ。
- 適度な速さと大きさでノートに字が書ける。
- 事実を、時間的経過をたどって書き綴ることができる。
- ローマ字の習熟ができている。
- 四則計算がよどみなくできる。
- 割合の意味がわかる。
- 基本的な図形の概念を持ち、作図できる。
- 学習用具(定規や色鉛筆など)が自在に使える。
- 地図の上で東西南北がたどれる。
- 都道府県の位置や、各国の位置のだいたいがわかる。
- 日本列島や世界のおおよその形が書ける。
- 家庭学習(最低1時間)が習慣になっている。
- 古典文学、伝記、歴史物語を読んだことがある。
- 一定の分量の話を整理して伝言できる。
- 時間と距離の関係を関連づけて、概算できる。
- 簡単な略図を書き、道案内できる。
(参考文献:「学力低下を克服する本」文芸春秋社)
*総論*
学校のテストの点数では計れない能力が多く入っていると思いませんか?つまり、教科書通りのうわべだけの勉強では、うまくいかないということなのです。
これは反対に、中学でつまずかせないためには、家庭でできること・やらせたいことがたくさんあるということです。また、20項目の中で大きな割合を占めているのは、国語力ですね。
*解決策*
では、各項目をクリアするため実際に家庭で子供のためにできることは何でしょう?
難しいことは1つもありませんから、できることから順に試してみませんか?
5つの事例をあげました。ぜひ参考にして下さい。ご家庭とウィルとで連携をとりながら、子供の確かな基礎学力作りをプロデュースしていきしょう。
国語辞典・漢和辞典を各部屋に置き、子どもが疑問に思ったらすぐ調べさせるクセを![スマホも便利]
これは大変良くできるお子さんをお持ちのご家庭に共通していることです。大人もそうですが、人間は疑問に思って解決した時が一番記憶の定着がいいということでしょう。子供に専用の辞典を買い与え、調べた言葉にはマーカーを引かせるなど工夫すると、調べるのがおっくうではなくなります。
スマートフォンも辞書の代わりになります。小学生の子どもに持たせることに賛否両論はありますが、この便利さを使いこなすことができるのならば、辞書で行うよりも「すぐ調べる習慣」が効率的に身につきそうです。
トイレに地図・テレビの横に地図帳を置くと、地理が得意になる。
とても簡単にできることです!本屋には、イラスト入りのきれいな地図が何種類も売られています。北海道にはじゃがいもの絵・静岡県にはお茶の絵・新潟県には米俵・・・と、各地方の特産物が描かれた地図を張っておけば、一日一度はそれを目にします。各地の特産物の学習は小学5年で出てきますが、こんな小さな工夫で『勉強』を意識せず、知識を植え付けることが出来るのです。
テレビで出てきた地名探しを親子や兄弟で競い合うのも良い方法です。ワールドカップ出場国名が出てくるたびに、地図帳で確認するだけで、その国名は子供になじみ深いものとなるでしょう。
子供が楽に知識を吸収できる環境作りが大切なのです。本格的な教科書の学習に入る前に、どれだけ子供に「知識の種まき」ができるか、考えてみませんか?
4,5年生から歴史漫画を読ませると歴史に強くなる。
質の良い漫画は、読書好きにさせる力があります。 特に歴史漫画には、中学の教科書には収まりきらない時代背景が、分かりやすくちりばめられています。小学6年生で歴史の勉強をやるのを心待ちにしている子に共通しているのは、この「歴史漫画」です。
教科書の記述はこんな具合です。 「信長の家臣だった秀吉は、信長をたおした明智光秀を破り、その後、8年で全国の大名を従えるに至りました。」
これで興味を持て、覚えろ、という方が酷ではないでしょうか。
歴史漫画は、その時代を生きた人間ドラマです。ぜひ明日からでも読み始めて、中学入学前までには読破しましょう!自信を持って、スムーズに歴史の勉強に入っていけます。歴史の授業で活躍すること間違いなしです!
学校でやることを家庭でもやれば、その効果は3倍に!
よくできるお子さんをお持ちのご家庭に、家庭学習の秘訣は何か?とたずねると「学校(塾)でやった内容を、帰ってきてすぐに復習させること」と答えられる親御さんが多いことに気付きます。これは宿題でもかまいません。学習した内容をすぐに反復練習することが、実は子供にとっても一番「楽」なわけです。理解が不足していた場合も、すぐに取り戻すことができます。
掃除を例に考えてみてください。ずっと放置していた場所をいざ綺麗にしようと思うと、億劫になりますよね?細かく手をかけている所ならば、少しの手間でいつも清潔な状態を保てるため、ずっとこの状態を保ちたい、と考えるものです。
子供も一緒です。めんどうで難しいなら、やりたくないのです。そうなる前の習慣付けで、子供ができるだけ負担を感じずに勉強できる姿勢をつけてあげましょう。
ウィルに通っている場合は、塾の授業とその宿題とで、効果は3倍以上ですね。分からず悩んでいる部分があるようなら塾に連絡を入れる等、早めに手を打つことです。
読書なくして真の学力向上なし!目的なしにテレビはつけない!
言語能力が高いと、すべての教科において圧倒的に有利です。読書をせずに言語能力が高い子は、一人もいません。よくできる子は、例外なく本をよく読む子です。
まず、目的もなくテレビをつけるのはやめましょう。これは親も率先してやってください。ゲームも日にちと時間を決めさせましょう。音のない、静かな時間を家庭内で作れないと、読書の習慣はつきません。
そしてぜひ、子供だけに読書を強制せず、親も読書に親しんでください。長い時間でなくとも良いのです。子供が興味のあるサッカー等の本で十分です。それこそ、歴史漫画でも良いのです。好きな分野の本を読ませましょう。そこから読書を習慣にして、言葉をたくさん身につけさせるのです。
重要なのは、学問で使う言葉は、日常生活のおしゃべりや、テレビやゲームで出てくる言葉とは違うということです。ここを分かっていないといけません。読書によって、学問で使う言葉をどれだけたくさん身に付けさせてやれるかです。
子供が読書好きになるように全力を注ぎましょう。