【4月 大学受験通信 】 英語勉強法[英単語・英文法]

英語勉強法[英単語・熟語編]

 英単語はすべての英語学習の土台となる部分である。文法問題をとっても選択肢の単語の意味が分からなければ絶対に解くことが出来ないし、長文の半分以上が意味の分からない単語であれば問題を解く前に終わってしまう。であるので、単語学習は、なるべく短期にまとめて覚えて、あとで復習していくというスタイルをとってほしい。

具体的な勉強法

英語が全く苦手な場合
  • 『中学英単語をひとつひとつわかりやすく』(学研)

 中学英語に自信がない生徒は、➊の教材で中学範囲の英単語を復習しよう。中学英単語の英単語はすべて必須英単語なので、完全に暗記してほしい。

大東亜帝国の合格点突破
  • 『英単語ターゲット1200』(旺文社)
  • 『英単語ターゲット1400』(旺文社)
  • 『英単語Always1001』(河合出版)

 英単語が弱いと感じる生徒は、まず➊で基本的な単語を暗記しよう。シンプルで使いやすく、品詞や頻出ごとに順番に出てくるため、前から覚えていくとよい。ターゲット専用のワークノートもあり、暗記の大きな助けとなる。英語が苦手でもわかる単語が増えていけば、劇的に英文が読めるようになるはずだ。
 さらに英単語を強くしたい生徒は、❷で語彙力を拡充していこう。ここまで学習したら❸で熟語やイディオム、必須構文を覚えることに注力していこう。単語のイメージから熟語の意味が分かることも多々あるので、考えながら取り組むこと。

日東駒専・産近甲龍の合格点突破
  • 『英単語ターゲット1400』(旺文社)
  • 『英単語ターゲット1900』(旺文社)
  • 『速読英単語①必修編』(Z会出版)
  • 『英単語Always1001』(河合出版)

 このレベルの生徒もまずは➊を完璧にする。そのあとでステップアップとして❷または❸に取り組んでいく。この2冊は大きく系統が異なる単語帳である。
 ❷は「ターゲット」シリーズの決定版で、シンプルイズベストを体現する単語帳である。テンポよくスピーディーに暗記できるよう、ギリギリまで情報を切り詰めている分、暗記の助けとなる関連商品は非常に多岐にわたる。ぜひ有効活用してほしい。
 ❷が味気なくて取り組みづらいという生徒は、❸を使うとよい。実際の英文の文脈の中で、英単語を暗記するという試みがされており、語句のイメージがとらえやすい。丸暗記が苦手で頭の中で単語の意味を明確に整理しながら暗記したい生徒にはおススメだ。
熟語学習は❹で充分だ。熟語やイディオムなどのインプットに大いに活用してほしい。1章と4章からはじめて全編をマスターするように学習していってほしい。

GMARCH・関関同立の合格点突破
  • 『英単語ターゲット1900』(旺文社)
  • 『速読英単語①必修編』(Z会出版)
  • 『英単語Always1001』(河合出版)
  • 『解体英熟語[ブック型]』(Z会出版)
  • 『解体英語構文[ブック型]』(Z会出版)

このレベルも単語帳は➊または❷に取り組もう。このレベルまで来るとわからない単語がない、というところまで完璧に覚えておいてもらいたい
熟語は❸をほぼ覚えられたという生徒や上位校を目指す生徒は❹と❺にセットで取り組もう。2冊とも情報量が豊富でやりごたえは十分で、最難関大までの文法問題も長文問題もカバーできるほどの参考書であるので、必要に応じて学習範囲を取捨選択してもらいたい。

早慶上智・旧帝大2次の合格点突破
  • 『鉄緑会 東大英単語熟語 鉄壁』(KADOKAWA)
  • 『速読英単語②上級編』(Z会出版)
  • 『解体英熟語[ブック型]』(Z会出版)
  • 『解体英語構文[ブック型]』(Z会出版)

 最難関大、特に早慶上智のトップ私大では、見たこともないような英単語が問題文に登場する。すべてを暗記できている必要はないが、知っていれば心に余裕ができ、自信を持って問題に集中することができる。そういう意味でも様々な英単語に触れること、そして単語をイメージで捉えることは非常に重要になってくる。

英単語をビジュアルで捉えること、単語の構成から意味を類推することを習得する参考書として➊はおススメである。テーマごとにセクションが設けられていて、ある程度頭の中でフォルダ分けしながら単語の学習をすることができる。収録されている単語数が非常に多く、解説や関連語句も含めるとその数は膨大だ。はじめから最難関を目指すなら、早いうちから本書に取り組んで何週もしてほしい。

 ➊の情報量の多さが煩雑で覚えづらいと感じる生徒は、❷で学習するとよいだろう。実際の英文の文脈の中で単語をとらえられるため、単語のイメージが就きやすい。単語帳部分のつくりがシンプルなので暗記もしやすいだろう。ただ、扱っている語句のレベルが高いので、本書を学習する前にターゲット1900などで基礎的な単語を押さえていく必要がある。

熟語はここまでくると❸と❹に取り組む必要がある。覚えれば覚えるほどこれから先の学習に活きてくる。ハイレベルではあるが頑張って覚えていってもらいたい。

大学入学共通テスト
  • 『英単語ターゲット1200』(旺文社)
  • 『英単語ターゲット1400』(旺文社)
  • 『英単語ターゲット1900』(旺文社)
  • 『速読英単語①必修編』(Z会出版)
  • 『英単語Always1001』(河合出版)
  • 『解体英熟語[ブック型]』(Z会出版)
  • 『解体英語構文[ブック型]』(Z会出版)
  • 『大学入試センター過去問レビュー英語』(河合出版)
  • 『マーク式総合問題集英語』(河合出版)

共通試験の受験対策としては、最終的に❸または❹で学習してもらいたい。そのレベルに到達していない生徒は➊と❷で標準的な単語までを完璧に押さえよう。共通試験はそこまで難解な構文が出てくるわけでもないので、単語力の差が点数に反映される可能性が高い。そのため❸または❹までは確実に到達してもらいたい

 熟語に関しては❺で学習していけば共通テストで高得点を取るには十分である。より完璧を目指す生徒は❻、❼に取り組むとよいが、もし2次試験でで英語を使わないのであればオーバーワークであろう。

 英単語・熟語、英文法、英文読解、すべての学習が終了したら、センター過去問・マーク式に取り組もう。共通試験は新傾向の問題は出てくるものの、あくまで土台はセンター試験。なので、センター試験の過去問もしっかり見ておこう。時間の許す限り、できるだけ多くの演習をこなそう。

英語勉強法[英文法編]

英文法は、英単語と並び英語学習の土台となる部分である。長文問題の中にも文法問題は出題され、読解力を上げるためにも英作文を書くためにも文法を理解することは非常に重要である。文法学習も、単語学習同様に、短期にまとめて覚えて、あとから復習するというスタイルをとってほしい。ただし、大学によって必要な問題演習の量が異なるので、志望校の過去問をチェックしよう。

 学習方法としては、まずは理解本で英語文法の全体原則を理解していこう。ここを理解できずにいると、長文読解・リスニング・和訳・英作文などすべての問題で躓くことになる。英語の語順や品詞の使い方など、最低限のルールを理解してほしい。

次に、個別の文法を暗記していこう。構文や特殊な用法をしっかりと暗記することで、文法問題に対応し、英語の文章が読めるようになる。

 ここまでインプットを積んだら、次は問題演習に取り組もう。実際の英文では、一つの文章の中に様々な構文知識や文法知識が必要になってくる。文法問題の演習を重ねることで、覚えた文法の実際の英文の中での使われ方を理解し、応用力が身につくに違いない。

具体的な勉強法

英語が全く苦手な場合
  • 『中1英語をひとつひとつわかりやすく』(学研)
  • 『中2英語をひとつひとつわかりやすく』(学研)
  • 『中3英語をひとつひとつわかりやすく』(学研)
  • 『高校英文法をひとつひとつわかりやすく』(学研)

 中学英語に自信がない生徒は、まず➊~❸で中学範囲の英文法を復習しよう。そして、中学英語の復習を終えた生徒、あるいは、高校英語で躓いている生徒は❹に取り組もう。❹には高校で学ぶ英文法のエッセンスがつまっているが、本書の内容は確実に押さえておかないとまずいレベルなので、完璧にしてほしい。

大東亜帝国の合格点突破
  • 『成川の「なぜ」がわかる英文法の授業』(Gakken)
  • 『成川の深めて解ける!英文法INPUT』(Gakken)
  • 『スクランブル英文法・語法Basic 2nd Edition』(旺文社)

 大東亜帝国レベルの大学を目指す生徒は、➊で大学受験レベルの文法をまとめて学習しよう。❷が難しい場合は➊から始めてほしい。❷で文法を理解したら、❸でインプットとアウトプットを同時に行うことで、基本文法をしっかり身につけよう。

日東駒専・産近甲龍の合格点突破
  • 『成川の「なぜ」がわかる英文法の授業』(Gakken)
  • 『成川の深めて解ける!英文法INPUT』(Gakken)
  • 『スクランブル英文法・語法Basic 2nd Edition』(旺文社)
  • 『短期で攻める 英語整序問題200』(桐原書店)

 すでに受験勉強を始めている生徒は❷に取り組もう。❷では大学受験レベルの文法を完全に理解してほしい。もし❷が難しいのであれば➊から始めよう。

❸は日東駒専合格レベルに必修の文法が厳選して取り上げられている。本書でアウトプットとインプットをテンポよく繰り返してマスターし、基本的な文法力をつけよう。

 ❹はセンター試験や有名私大の本試験などで頻出の整序問題を集めた文法問題集である。❸で基本的な文法力を身につけた後は、❹で整序問題の演習を行おう

GMARCH・関関同立の合格点突破
  • 『総合英語Forest[7th Edition]』(桐原書店)
  • 『Next Stage[ネクステージ]英文法・語法問題』(桐原書店)
  • 『スクランブル英文法・語法3rd Edition』(旺文社)
  • 『ランダム総点検 英文法語法 最終チェック問題集』(旺文社)
  • 『全解説 実力判定 英文法ファイナル問題集 標準編』(桐原書店)
  • 『英語整序問題精選600』(河合出版)

➊は文法辞書だ。❷や❸でアウトプットを同時並行で行いながら学習を進めるとよい。GMARCH・関関同立レベルを目指す生徒は、知らない文法に出会ったとき、本書は「帰ってくる場所」になるだろう。わからない問題に出くわすたび、本書の関連項目にアンダーラインを引いてほしい。もし➊が難しいのであれば『成川の深めて解ける!英文法INPUT』から始めてほしい。

❷と❸はどちらか一方で構わないが、左ページの問題をとにかく何周もやりこんで、問題を解きながら覚えていこう。問題を見た瞬間に答えが出るくらいのスピード感が理想だ。

❷か❸でしっかりインプットをした後は、❹でアウトプットをしてみよう。様々な文法・分野がランダムに出題されている。同じような文法問題集として❺もあるが、❺は❹と比較してボリュームがあり、また少し難易度の高い問題構成となっている。そのため、入試まであまり時間がなく手早く文法を固めたい生徒には❹のみでよいが、GMARCH・関関同立の上位合格を目指す生徒は❺も取り組もう。

 また、英語整序問題に特化した参考書として❻にも取り組んでほしい。❻をマスターすることでGMARCH・関関同立の上位合格を狙えるだろう。

早慶上智・旧帝大2次の合格点突破
  • 『総合英語Forest[7th Edition]』(桐原書店)
  • 『改訂三版 英文法解説』(金子書房)
  • 『Next Stage[ネクステージ]英文法・語法問題』(桐原書店)
  • 『スクランブル英文法・語法3rd Edition』(旺文社)
  • 『全解説 実力判定 英文法ファイナル問題集 難関大学編』(桐原書店)

基本的には下のステージと同様に、➊で学習を進めよう。❸や❹でアウトプットを同時並行で行うとよい。早慶上智・旧帝国大を目指す生徒でも、英語の学習をする際は常に手元において、不安な文法があればすぐに確認してほしい。

 ほとんどの英文法は➊で学習できるが、最難関レベルを志望していてより細かい英文法の知識を学びたい生徒は❷も参照するとよい。

ここまでの学習でさまざまな単語・イディオム・文法知識を習得したら❺にとりかかる。実際の難関大の入試から問題が厳選されているため、質・レベルともに高い充実感がある。難易度別にわかれているため、1周出来たらStep1、2周出来たらStep2、完全にマスター出来たらStep3というような学習方法をとると、より効果を発揮できる。