【4月 高校受験通信】
中3受験生としての一年の過ごし方

はじめに

 今月の教室通信では、「中学3年生 受験生として1年間をどのように過ごすのか」をテーマといたします。
 ウィル個別指導教室内にて、教室長が生徒へお話ししている内容をご紹介いたします。そのため文面が、[生徒に対する口調]になっておりますことご了承ください。
 保護者の皆様の、お子様への接し方の一助になれば幸いでございます。

中3諸君へ

 中学3年生になったらどのように一年を過ごしたらよいのか?という疑問にお答えします。受験勉強を一年というサイクルで考えて、無理のない効率的な過ごし方を挙げてみました。
 本音をいうと、4月から「ごはん食べる時間と寝る時間以外は勉強」という生活に入ってほしいのですが、中学生の皆さんの現状を踏まえつつ、無理のない受験生活プランを立ててみましたので参考にしてください。
 念を押しますが、これは無理のないプランなので安全圏でない挑戦校を志望している人は、このプランを前倒しして行うようにしてください。

【4月~7月】

定期テスト・各種検定試験中心の勉強を心がけよう

 この時期は部活動もあり、また受験までの期間が長いので、受験への意識があまり高まりません。あまり受験を意識しすぎずに、むしろ部活動へ積極的に参加してください。なぜなら、高校受験では知識だけではなく、体力も集中力も必要だからです。

 勉強においては、これも1年生からの復習中心になる受験勉強ではなく、学校の定期テストに重点を置いた勉強を心がけましょう。三年一学期の内申点は私立高校の個別相談会で最も重視される数値ですし、県立高校でも三年生内申点を二倍三倍にして評価する場合がほとんどなのです。

 そして、受験勉強を後回しにする分、この時期には、高校入試の強い味方となる「各種検定試験」にも力をいれましょう。漢字検定・英語検定は入試判定に大きな影響を及ぼす検定試験なので、3級まではそれぞれとっておきましょう。欲をいうと準2級までとらせたいと思います。

4~7月にするべきこと
  • 部活動の充実
  • 学校の定期テストの重視
  • 各種検定試験に挑戦

【夏休み】

いよいよ受験勉強本格開始!

 この時期から、君たちは本格的な受験生活を送ることになります。いよいよ受験モードへ、スイッチオンをしてください。

 高校受験では1・2年生で学んだ内容と、3年生の1学期で学んだ内容から7割程度が出題されます。よって、夏休み中にこれまで学んだ内容の復習をさせることが合否の分かれ目になってきます。特に、英語と数学は復習をしてから成果が出てくるまでに時間がかかります。この2教科を特に重視して、夏休みであるこの時期から、基礎基本をしっかりとおさらいしておきましょう。

理科・社会は夏明けから本格的に暗記に入ります。その暗記をスムーズに行うためにも、塾の夏期講習で全体像のおさらいをしておきましょう。

 また、部活動がなくなるこの時期は、どうしても生活リズムが乱れてしまいがちです。勉強する習慣の確立を心がけたいものです。夜更かしをせず、早寝早起き。課題や勉強は涼しい午前中にすませてしまう。この生活が理想的です。

 とはいえ、まだまだ受験まで日があり、暑さが厳しいこの時期は、どうしても気がゆるみがちになります。そのような場合は無理に勉強を強制しないようにしましょう。時には、志望する高校をリストアップして、高校について話し合ってみる。一度だけ過去の入試問題を解いてみるなど、気分転換や目標意識をもって受験勉強ができるような工夫をしてみるといいですね。

夏休みにするべきこと
  • 受験勉強を本格開始
  • 毎日勉強する習慣の確立
  • 夏休み中に1,2年生・3年一学期の総復習
    (英語と数学を特に重視)
  • 理科社会は、復習をざっと1周終わらせる
    (完全暗記の前段階準備)
  • 志望校の候補をリストアップ ⇒ 仮決定

【9月~12月】

英数 ⇒ アウトプット重視(実践問題演習)
理社 ⇒ インプットの完成(頭に叩き込む)

 この時期は、国語・理科・社会を中心に1・2年生の内容の復習を重視。特に理科・社会は暗記の多い科目なので、受験が近くなったこの時期がもっとも適した時期になります。いわゆるインプット(頭に叩き込む)の作業を行いましょう(理社のアウトプットは冬休み~2月末で行います)。1冊の優れたテキストを用意して、それを穴があくまで繰り返しましょう。

英語・数学は夏に復習を重視したと思います。つまりインプットの作業が終わっているので、次はアウトプット(実力を出し切る勉強)に移ります。アウトプットの勉強とは「過去問題」「総合問題」などのような実戦問題に取り組みしっかり得点できる訓練を行うことをいいます。

 勉強面以外では、ぜひこの時期に、受験勉強だけでは身につかない「教養」を意識して学ぶことをオススメします。この時期は、部活がない分時間もとれるわけですから、息抜きがてらどこかへ行ったり、家族の会話などを進んで行ったりましょう。読書を行うのもいいですね。

 また、多くの高校で「夏休み中~9月~11月」にかけて、学校説明会やオープンキャンパスが行われます。志望する高校の説明会は、必ず参加しましょう。実際に高校へ行ってみると、「その高校の校風がよくわかった」「実は通うのに大変だった……」など、志望校選択の際に役立つ情報が手に入ります。

9~12月にするべきこと
  • 内申点対策
  • 理科・社会のインプット(頭に叩き込む)の勉強
  • 英語数学の実戦問題演習 ⇒ アウトプット(問題解く際に実力を出し切れるようにする)の勉強
  • 部活がない分、教養を意識して身につける
  • 高校の学校説明会(オープンキャンパス)への参加 → 志望校選び → 志望校決定

【冬休み】

ひたすら実践!志望校も決定!

 この時期では、今まで覚えてきた学習をどれだけ生かせるか、つまり実践問題への対応において実力を出し切れる状態にならなければなりません。

 そのような状態にするための具体的な勉強方法ですが、とにかくたくさんの問題集を解いてみる。これにつきます。問題慣れをしておくことで、受験本番で緊張したり、無用に焦ったりすることが少なくなります。ただ解くだけではなく、入試時間に合わせたり、目標点数(合格点)を設定するなど、本番へ向けての「意識づけ」を行うことが大切です。

 志望校については、この時期は決定していなければなりません。冬休みが終わったら、出願の準備もしなければいけないので必須です。
 最後に見落としがちですが、この時期は寒さが厳しい時期でもあり、風邪をひくなどして体調を崩す可能性があります。規則正しい生活習慣を心がけさせ、栄養のバランスのとれた食事をとるように心掛けてください。

冬休み以降にするべきこと
  • 受験モードのピークをつくる
  • 全教科、実践練習でインプットからアウトプットへ
    (覚える勉強から実力を出し切る勉強へ)
  • 体調管理,生活リズムを整える
  • 志望校最終決定