【5月 大学受験通信 】
英語勉強法2

長文読解勉強法

この科目を勉強する前に

 長文読解問題は、大学入試において英語の大きなウェイトを占める。そして苦手とする受験生の割合も数学と並んで非常に高いのではないだろうか。

 英語が苦手な生徒は頻繁に「長文を読むのがつらい」と口にする。確かに苦手な英語の単語がずらずらと何百語も並んでいたらうんざりしてしまう気持ちは理解できる。

 しかし長文読解は受験英語においてもっとも高い配点がなされているのが常だ。読解が出来なければ、合格点に到達することは難しい。

 読解を強くするためには語彙力・文法力が必要なのは言うまでもない。そこに関してはぜひ前回の大学受験通信「英単語・熟語・英文法 勉強法」を参考にしてほしい。しかし語彙力さえあれば長文が読めるかというと、そういうわけでもない。高得点を取るためには相応の読解テクニックを駆使していくことが必要とされる。

 本稿では、そのテクニックを養成するために最適な参考書をピックアップした。自分のレベルに応じて学習を進め、英文読解を極めていってほしい。

全体の勉強法

 まず、目標の大学の過去問を研究しよう。この時点で問題を解ける必要はない。過去問を見て、勉強を始める前に入試問題の形式や傾向を把握することが大切である。

 では、英文読解の全体的な説明をしよう。英文読解の勉強は英文解釈を学ぶところから始まる。英文解釈の勉強ルートは全部で3つあるが、各勉強ルートについては次項『英文解釈』で詳しく述べるのでそちらを参照してほしい。

英文解釈と並行してそれと同じくらいのレベルの長文の問題集を解いていこう。進度としては英文解釈が長文の進度より先行しているほうが望ましい。長文を読む中で、学んだ英文解釈を実際に使う練習をしよう。もし解釈できないところがあれば、英文解釈の参考書や英文法の参考書に戻って復習してほしい。

 それぞれの演習の後に余力があれば、参考書に付属のCDを使って音読することを進める。音読しながら文章全体のロジックやひとつひとつの英文解釈を確かめることが出来る。

 このように、解釈を学ぶ→長文を使って演習→できなかったところを復習→音読 という流れで勉強するとよい。また、赤本などを使って過去問演習は数多くこなしてほしい。

英文解釈

 英文解釈のレベルアップにはRiseルート100ルート富田ルートの3つがあり、ルートごとに特徴がある。生徒は、実際に参考書をめくってみるなどして、好きな形式の参考書が含まれる、自分に合ったルートを選んでほしい。

Riseルート
  • 『高校英文読解をひとつひとつわかりやすく』(Gakken)
  • 『入門 英文解釈の技術70』(Z会出版)
  • 『合格へ導く 英語長文 Rise 構文解釈 1.基礎~難関編』(Z会出版)
  • 『合格へ導く 英語長文 Rise 構文解釈 2.基礎~難関編』(Z会出版)

 Riseルートでは基本的にRiseシリーズを使う。Riseシリーズの特徴は、文字の大きさや色の使い分けが工夫されていて、視覚的に内容をとらえやすいデザインをしていることである。形式としては受験生の疑問に対して回答し、例文を構文把握、文法事項、日本語訳の磨き上げ方を解説している。解説は非常に丁寧で読みやすい。参考書の後半では、技術100ルートの参考書と比べ長い文を取り扱っている。

 レベルアップの流れを説明すると、まず①で受験準備レベルまで達する。そして、②をマスターすれば大東亜帝国レベルの大学には上位合格できるだろう。

 ここまでで、英文解釈の基本ルールを身につけた後、Riseルートに入って英文解釈をじっくり学んでいこう。まず、③で基本レベルから応用レベルまでの精読に、粘り強く取り組んでほしい。③は日東駒専の上位合格は十分に狙える1冊であり、かつGMARCHの合格にも必須の一冊である。

 次に④に取り組もう。④は③の続編である。本書は③の知識を完全に理解している生徒向けに作られたレベルアップ版であり、まだ長文問題で基本的な構文解釈に不安の残る生徒は、今一度③に立ち返ってマスターしてから、本書に取り組むとよい。早慶上智・旧帝大を目指すのであれば④の内容は完全に理解して長文読解に活かしてほしい

技術100ルート
  • 『高校英文読解をひとつひとつわかりやすく』(Gakken)
  • 『入門 英文解釈の技術70』(Z会出版)
  • 『基礎 英文解釈の技術100』(桐原書店)
  • 『英文解釈の技術100』(桐原書店)

 技術100ルートは、①~②まではRiseルートと同じで、その後、桐原書店の技術100を使用する。

 技術100ルートで用いる参考書の特徴は、章ごとに内容が整理されていることとそれぞれの英文を読み上げたCDが付属されていることである。形式としては、例文を読み、ポイントとなる文法の要点、語句、構文、全部訳を順に説明している。構文把握では複雑な分も立体的に図解で示してくれていてわかりやすい。扱っている例文は、Riseシリーズと比べ短い。

 レベルアップの流れを説明すると、まず①で受験準備レベルまで達する。そして、②をマスターすれば大東亜帝国レベルの大学には上位合格できるだろう。②まではRiseルートと同じである。

 ここまでで、英文解釈の基本ルールを身につけた後、技術100ルートに入って英文解釈をじっくり学んでいく。まず、③で英文解釈のテクニックを100理解してほしい。③のテクニックを使えるようになれば日東駒専の上位合格を狙えるだろう。GMARCHの合格には必須の一冊だ。

 ④は③の続編である。③よりさらに複雑な文を取り扱っているので、より難しい長文にも対応できるようになる。早慶上智・旧帝大を目指すのであれば完璧にマスターしてほしい。

富田ルート
  • 『高校英文読解をひとつひとつわかりやすく』(Gakken)
  • 『富田の基礎から学ぶビジュアル英文読解 基本ルール編』(代々木ライブラリ-)
  • 『新版 富田の英文読解 100の原則 上』(大和書房)
  • 『新版 富田の英文読解 100の原則 下』(大和書房)
  • 『富田の基礎から学ぶビジュアル英文読解 構文把握編』(代々木ライブラリ-)
  • 『富田の【英語長文問題】解法のルール144 上』(大和書房)
  • 『富田の【英語長文問題】解法のルール144 下』(大和書房)
  • 『英文読解 論理と解法』(代々木ライブラリ-)

 富田ルートは「英語」という科目に対して何となくイメージで捉えようとしてつまずいてしまう、もっと方法論を学びたい、という生徒におススメである。

 富田式の最大の特徴は、すべての英語のルールには理由があるという前提でその理由をつきつめて考えていく、いわば、英語の思考論を解説しているところである。

 また、参考書の雰囲気も多少異なり、Riseルートと技術100ルートが正統的に、ノーマルに教えてくれるのに対し、富田ルートは独特の語り口調で説明が進んでいく。表現が刺激的な部分もあるので、試し読みをして説明の書き方が気に入ったのであれば富田式を選ぶのもよい。

 ただし、富田式をマスターすれば英語の思考論を身につけられるが、中には習得しきれない生徒もいるので選ぶ際は粘り強く取り組んでほしい

 レベルアップの流れを説明すると、まず、①で受験準備レベルまで達するところまでは他の2つのルートと同じである。 その後、富田ルートでは、②を用いて、英文解釈の最も基本的なルールを学ぶ。英語を読むときに常に隣に本書を置き、参考にしながら反復して学習するとよい。②をマスターすれば、大東亜帝国レベルまで達する

 次のレベルである③は、英文読解の「方法」を身につけるための原則が100個にまとめられた上下セットである。読解問題にしっかりとした方法論で取り組もうという「富田式」を問題演習から身につけることが出来る。③で日東駒専レベルに到達できるだろう。

 その次のレベルである④は、②と同様に、問題を解くことで実践的に精読法を学んでいく。GMARCHの合格には④を完全に理解することが必要である。

 ここまでで英文解釈の力は十分に身についたはずだ。ここからは、学んだ英文解釈を使って長文読解をしよう。⑤は④と並行してすすめてほしい「富田式」の決定版だ。筆者特有のしつこいまでの解説で、長文読解力を養う手助けをしてくれる。③などで既習した長文読解の原則を踏まえ、実際の入試問題を題材にして解法のテクニックを学んでいく。ここまで行えれば、GMARCHレベルは上位合格できるだろう。

 ⑥は、富田式における最高難度の長文問題集。この参考書をやりこめば、読解だけでなく、多岐にわたり英語を解く力が身につき、早慶上智・旧帝大レベルの合格に近づくはずだ。

長文読解の演習用問題集

 英語は文理問わずほとんどすべての受験生に必要な科目である。そのため参考書・問題集の数がほかの科目と比べて圧倒的に多い。

 それはこの「長文読解」という分野でも変わらない。受験科目に英語があるほとんどすべての大学で長文問題が課されるので、各生徒自分の現状のレベルの問題集からステップアップして目標大学のレベルの問題集に到達するようにしてほしい。

 そのために長文の問題集は1冊ずつ解いてレベルアップしていくという構成になるように、以下問題集一覧表に配置してある。参考書の順番はこの一覧表のレベル順に従えばよいが、長文読解の参考書では同じシリーズの連番でもレベルがかぶっていないので連続でやらないよう注意してほしい。また、長文読解は英文解釈の勉強と並行して行い英文解釈の知識を実用してみよう

 英文解釈や長文読解の解説では、英文の構造を説明するために( ),〈 〉などの記号が用いられているが、記号の使い方には記号Aタイプと記号Bタイプの2つの方式がある。記号Aタイプでは、従位節と句ごとに整理してあり、記号Bタイプでは、名詞節や名詞句、形容詞節や形容詞句、副詞節や副詞句など品詞に注目して整理してある。

 以下一覧表にも各参考書の記号方式を表示しているが、我々が提案している英文解釈の3ルートの参考書は、いずれも記号Aタイプのものに対し、長文読解の参考書は記号Aタイプと記号Bタイプのどちらも存在する。したがって長文読解の勉強をする際には、使用している参考書の記号方式を意識して記号方式が異なっていても混乱しないことが大切である。