【8月 大学受験通信2 】
「心づくり」で自分を変えよう

はじめに.

 「主体変容」という言葉をご存知でしょうか。あまり馴染みのない言葉ですので、ご存知ない方が多いかと考えます。「主体変容」とは一言で言うと、「自分を変える」ことです。皆さんは、勉強や部活、私生活の様々な出来事の中で思い通りにならなかった場合、どのような思考になるでしょうか。気持ちのどこかで、他人のせいにしたり、別な理由を言い訳にしたりなどしていませんか。もちろん、自分の力ではどうにもならないことも世の中にはあります。しかし、後ろ向きな思考に陥ってしまったがために、成し遂げられなかったことや継続できなかった目標・目的がたくさんあるのではないでしょうか。

 今現在、本稿を読んでいる皆さんは「志望校合格」という目標に向かって、受験勉強に励んでいることと考えます。あなたの受験勉強は順調に進んでいるでしょうか。計画通りに進んでいなかったり、やる気が起きずダラダラ過ごしていたりはしていないでしょうか。順調に進んでいないと感じているならば、是非本稿を最後まで読んで見てください。「自分を変える」きっかけになるかも知れませんよ。

 本稿のテーマは「『主体変容』=自分を変える」にポイントを置いて展開してゆきます。スポーツで良く「心・技・体」という言葉を聞くかと考えます。いくら、技術が高くても、体力があっても、「心」(=精神力)が足りなければ、良い結果には結び付きません。これは受験勉強においても、何においても同様のことであり、「心をつくる」ことは、良い結果をもたらすために必要なことなのです。

 皆さん、受験勉強をきっかけに自分を変えてみませんか。結果を変えたいのであれば、今までと同じことをしていても仕方がありません。自分を変えられるのは自分しかないのですから。

「心をつくる」とは

(1)「目的」は何ですか

① 「目的」があるから「目標」がある

 早速ですが、皆さんが大学に行きたい目的は何でしょうか?志望校を「何となく」で決める人は、ほとんどいないかと考えます。大学に進学するには何かしら「この学問を勉強したい」「この職業に就きたいから」といった目的があるはずです。あくまでも、大学に進学することが到達点ではなく、自分自身が描く将来の願望を達成するための「通過点」に過ぎません。皆さんは今までに目標を設定しても達成できない、または目標達成のためにどんな行動をすればよいのかわからず、立ち止まってしまった経験はないでしょうか。これは、「目的(=到達点)」の設定に何かしらの不備があるためです。

 簡単な例を挙げるとすると、「毎日英単語の勉強を30分しよう」といった目標を立てたとします。ただ、「英単語の勉強をする」という目標だけで、どれだけ続けることができるでしょうか。この目標を達成するために必要なのが「何のために」という目的なのです。ただ漠然と「英単語を勉強する」という目標ではなく「英語の偏差値を『5』上げるために、英単語を毎日30分勉強する」といったように、目的と目標とを同時にリンクさせて、目標設定をすることが大切なのです

 ゆえに、志望校を定めるにあたっては「〇〇という目的を達成するために、私はこの大学に行きたい」という「何のために」を定めることがとても重要になります。志望校が決まっている皆さんも、志望校がまだぼんやり定まっていない皆さんも、今一度「何のために自分は大学へ行くのか?」という問いに回答してみてください。そして、今の自分にとって何が足りないのか、どう行動してゆかねばならないのか、書き出してみてください。自分のすべき行動が少しずつ見えてくるのでないでしょうか。

このような話を展開してところで、「何のために大学に行きたいのかが決まらない・・・」などと、そもそもの目的を定められていない人もいるのではないでしょうか。次に、目的設定のためのヒントとなる視点を紹介してゆきます。

② 大学に進学する「目的」の4要素

 さあ、何のために大学に行きたいのかがイマイチ浮かばないという人。以下に、大学へ行く目的となり得る要素を4つ挙げてみました。皆さんの考え方と以下の4要素を当て込めて考えてみてください。大学へ行く目的を見つけるヒントになるかも知れませんよ。皆さんが当てはまりそうな要素はどの要素になりそうでしょうか。複数当てはまるならば、各要素の観点から大学を調べても良いでしょう。

 いかがだったでしょうか。もちろん、他にも大学へ行く目的なり得る要素はあるのかと考えます。また、大学に行く目的を探すだけではなく、目標となる志望校を考えるうえでも参考になったのではないでしょうか。

(2)考え方と行動を変える

① 「成長の三原則」

 成功する人の多くは「当たり前のことが当たり前にできている」と言われます。「当たり前のこと」の定義は多種多様ではあるかと考えますが、ここではこれから紹介する「成長の三原則」のことを指すと考えてください。

 「成長の三原則」とは、「時を守る」「場を清める」「礼を正す」の3つを指します。文字通り、時間を守り、整理整頓を徹底し、挨拶など礼儀を重んじることを言います。キレイごとのように見えるかも知れませんが、「心をきれいにする」ことは目標・目的達成のためにとても重要な要素なのです。皆さんは部活動などで感じていないでしょうか。グラウンドやコートが汚く、練習開始時間はいつも曖昧、挨拶も満足にできないようなチームや選手が強いでしょうか。例外はあるでしょうが、大会で良い結果を出すチームや選手は概ね「成長の三原則」が実践できているのではないかと考えます。それは、スポーツだけではなく、勉強にも同じことが言えるのです

 例えば「今日は午前8時から勉強を始めよう!」と決めて、午前8時前に机の前へたどり着きました。そこで机の上に参考書やノートが乱雑に積んであったら、まず机の上を整理することから始まり、予定で決めていた午前8時には勉強が始まりませんね。さらに、受験で合格するために使用する参考書たちを乱雑に積み重ねておくという行為そのものが、無礼にあたるのではないでしょうか。「成長の三原則」が実践できていないと上手くいかないことが多くなり、気付かないうちに心が荒んでいってしまうのです。これでは目標・目的達成に近づくどころか、かえってモチベーションが低下してしまい、達成が遠のいてしまいます。それでは、「成長の三原則」を実践することで、どのような良い効果があるのかを考えてゆきましょう。

② 「心のコップ」を上向きに

 それでは、スポーツにおいても勉強においても、なぜ「成長の三原則」は重要なのかお話ししてゆきます。「時を守る」「場を清める」「礼を正す」の「成長の三原則」を実践し、「心をきれいにする」ことによって「心のコップ」が上向くようになります。ご存知の通り、コップは下向きになっていると水が全てこぼれてしまうばかりか、何も入りません。同じように人も「心のコップ」が下向きになってしまうと、ただただ後ろ向きの感情になってしまうばかりで、一切の前向きな感情を持てなくなります。「心のコップ」が下向きのままでは、自分に自信が持てない、目標・目的達成に向けたモチベーションが上がらない、だから何も上手く進まない、といった悪循環に陥ってしまうのです。

 こうした悪循環に陥らずに前進するためにも、「心をきれいにする」ことが重要になるのです。「心をきれいにすること」で「心のコップ」が上向き、前向きな感情を持てるようになります。また「心のコップ」を上向きにすることと同時に、「未来思考」へ転換をしてゆきましょう。人間、誰しも失敗経験や成功経験の少なさから「どうせ自分になんて、できっこない・・・」といった過去にとらわれる「過去思考」に陥りがちです。しかし、大学受験は皆さんにとって「未知」のものであるはずです。結果なんて誰にもまだわかりません。加えて、皆さんは目的・目標の設定を行っていれば、目標とする大学に合格するために自分がどのような行動をとらなければならないかについて、ぼんやりかも知れませんが把握しつつある状態になっていると考えます。そうであるならば、迷う必要はありません。達成に向けて「やってみよう」という気持ちになって、第一歩を踏み出せば良いのです