【10月 大学受験通信】
セルフレクチャー

最強の勉強法「セルフレクチャー」とは

 高学歴お笑いコンビのロザンの宇治原史規氏はこう言っています。 「国語の成績を上げる方法として、よく言われるのが本を読むこと。しかし、子どもにはハードルが高い。子どもが国語の成績を上げるには『親と喋る』こと。親が子どもに『学校で何を習ってきたか?』を聞くことが大事である。」

 ここには、学問を身につけるための本質が語られています。 『インプット(知識の吸収)からアウトプット(知識の説明)への一連の流れ』こそが学問の定着の本質なのです。 インプットがなければアウトプットは当然不可能ですし、アウトプットが可能になるとインプット部分が何倍も深まるという相互作用があります。この両輪なくして学問の定着はあり得ないのです。

 今月の大学受験通信では「インプット」と「アウトプット」の両輪を最大回転させる、最強の勉強法「セルフレクチャー」をご紹介いたします。

セルフレクチャーとは

まずはこの三角形を見てください。

 これは何かを学ぶときにどれくらい定着したかを表す三角形となっています。 『他の人に教える』ことは、内容の定着率は最も高い90%です。逆にパッシブ(受動的)に取り組むと定着率は低くなっていきます。「講義」を聞くだけだと定着率は5%程度、「読書」するだけでは定着率は10%程度と言われています。学習を定着させるために最も有効な方法は「他の人に教える」ことです。たとえば、友達と教え合いながら勉強することが最高に良い方法なのです。
 それができない場合には、セルフレクチャーをしましょう。つまり自分で自分に解説をしていくのです。復習をするときに復習したい問題をどのように解いて答えまで至るのかを自分に説明して見ましょう。自分が家庭教師で生徒に教えているような感覚でやってください。

 また、この時に意識してほしいことがあります。それは『声を出して自分に教える』ということです。これは実際やってみればわかることなのですが声を出してやってみるとセルフレクチャーしているときに言葉が詰まったりすることが多々あると思います。その言葉が詰まるところは自分の理解が甘いところということです。その部分を見直して、1回も言葉が詰まらなくなるまでセルフレクチャーを繰り返してください。声を出すかどうかでセルフレクチャーの効果は各段に変わってきます。声に出すことで、脳が活性化すると言われているように、自分でしゃべったことを自分の耳でもう一度聞き、理解することは記憶の念押しにもなるのです。

セルフレクチャーの最大の利点
「高速反復練習」が可能ということ!!

 セルフレクチャーは、復習という勉強の中で、効率の面でも最高レベルの学習法です。30分かけてインプットした内容を1分~2分の内容にまとめてセルフレクチャー(アウトプット)しましょう
 それは難しいと思いますか?
 インプットの際には、計算を書いたり、暗記したり、ノートをまとめたりという作業がありますが、セルフレクチャーの段階ではそれらはすべて省くことが出来るのですから、慣れればインプットに1時間を要した内容でも1~2分にまとめることが出来ます。そして、その省くという手順が、このセルフレクチャーという勉強法の最も肝となる部分でもあります。

 テレビの料理番組をイメージしてください。お料理の最中に、「ここでお鍋を10分間、温めます」という手順が出てきますね。ですが、番組の中で「10分間ずっと温め続けているお鍋」を映すことはないでしょう。 
10分間温めた後のお鍋が横から出てきますよね。「冷蔵庫で1時間ボールを冷やします」の場合も同じ。すでに1時間冷やされたボールが横から出てきます。「計算」や「暗記」や「ノートまとめ」というのは、この「10分間温める」「1時間冷やす」と同じこと。セルフレクチャーの場面では、実際に自分では計算などの作業はしません。それら作業は省きます。こうすることで、「解法」の習得と「繰り返し」に時間とエネルギーを注げるのです。

 もう、復習において、1つの問題に10分や20分かけるのはやめましょう。一題一題に対してじっくり取り組めているようですが、1時間の勉強で3~4問しか復習できない、ということになります。そのペースで進めていくと、受験当日までにこなせる問題数がかなり少なくなります。これでは合格するために必要な解法パターンを全て習得することが難しいのです。 数学を例に出して、セルフレクチャーのやり方の基本を見てみましょう。

セルフレクチャーレクチャーのやり方(数学編)

やり方は、次の通りです。

・問題を見る(読む)
・解法を口に出して言いながら(ブツブツと小声で)、計算問題の場合は式だけ作る。グラフや図が必要な問題は簡単に書いて確認する。
・式は解かずに、解答を見て(読んで)、確認する。

手を動かして一つひとつ解法を書いて勉強するのではなく、声に出して解法を読み上げていくのがポイントです。こうすることで、自分で自分に教えていくことができるのです。まずは、解法を自分の口でスラスラと言えるようになり、次のステップとして、それを誰かに説明できるようになるぐらいの完成度まで上げていくことを目指しましょう。その解法を聞いた人がすんなり納得するぐらいのレベルに達するまで、セルフレクチャーの方法で取り組んでください。

 この方法で反復すれば、1問あたりにかかる時間は、1分から30秒、10秒、5秒と回数を重ねるごとに短くなります。
1問あたり1分なら1時間に60題、3時間で180題もの問題に目を通すことができます。これを1か月繰り返せば、単純計算で180題×30日で5400題の問題を解くことになるんです!
 例えば、難関と言われる大学を志望するなら、最低でも1000種類の典型問題をマスターしないといけません。「セルフレクチャー」なら、一日3時間数学に取り組むだけで、1か月で必要な典型問題を5回も復習できることになるのですよ!
 5回も復習していれば、問題を見た瞬間、反射的に解法が思い浮かぶようになります。数学が得意な人って、典型問題が反射的に脳裏に浮かぶまでやりこんだ人なのです。セルフレクチャーの「高速反復」で、あなたもそうなることが出来ます。

勉強は「しっかり書いて覚えるもの」と思い込んでいる人へ

小学生や中学生のときには、「勉強は書いて覚えなさい」と教わってきたのではないでしょうか。もちろん、インプット(知識の吸収)の際には、書いて覚えましょうただし、それは一度だけです。2回目以降の復習はセルフレクチャー(アウトプット=知識の説明)で定着させるのですから、書いて覚えるようなことはしないで大丈夫です。
 むしろ大学入試のような膨大な学習量の中で、インプット時の勉強方法を、複数時にも同様に行っているのでは時間がいくらあっても足りません。
 不安になるかもしれませんが、上述した「平均学習定着率の三角形」を思い出してください。『書く』という行為よりも『セルフレクチャー』の方が定着するし、高速で反復できるのですからね。