【1月 大学受験通信 】
~奨学金制度について~

奨学金3つのタイプと主な運営団体

 奨学金の種類は上の3つのタイプに分類されるが、基本的には貸与型と給付型の2つに大きく分けられるといえる。貸与型とは返さないといけないタイプで、給付型は返す義務がなくもらえるタイプである。

貸与型には、返す際に利子がかかるものとかからないものに分けられる。ただし利子がかかるものも、利率は低く設定されている。

 そして、図表の一番下にある「特殊型」とは、本来は貸与型だが、卒業後、ある一定の条件を満たせば奨学金の返済が免除されるものである。特殊型は、医師や看護師、社会福祉士、介護福祉士などを要請する学校や学部に在籍する学生を対象とする奨学金制度に多い。

 その大まかな内容は、各学校に在学中に奨学金を受けた学生が卒業して各国家試験に合格した後、奨学金を支給した団体や自治体などが指定する病院などの医療機関で一定期間働けば、奨学金の返済が免除されるというものだ。

 なかでも、看護師を目指す学生向けの奨学金は各都道府県ごとに数多くあり、利用できる可能性が高い。看護師志望者は必ずチェックしたい。なお、医師以外は、大学だけではなく短大や各種専門学校へ進学を希望する人もこの奨学金を利用できる。

運営団体ごとの奨学金制度の特長を知っておく

 次にそれぞれのタイプの奨学金制度を運営している団体を見てみよう。

 まず、国が運営するのが日本学生支援機構による奨学金制度だ。同機構の奨学金が皆さんにとっていちばん身近なものだろう。大学生だけでなく短大生や専門学校生も利用できるので、現在、利用している学生数は、ほかの奨学金を利用している人数より圧倒的に多い。

 同機構の奨学金制度には貸与型と給付型の2つのタイプがあるが、利用者のほとんどが貸与型の利用者だ。

 そして利用者数が2番目に多いのが、全国の大学をはじめ短大、各種専門学校が独自に運営している奨学金制度だ。現在では、ほぼすべての学校が実施しているといってよいだろう。

 タイプは給付型と貸与型の2つを実施しているところが多い。ここ数年の傾向として、給付型を増やす学校が増えているのは見逃せない。

 3番目は、公益財団法人など民間の育英団体が運営する奨学金制度の利用者だ。貸与型と給付型の2つがあるが、その割合はほぼ半々だ。様々な理由から家計が苦しいという人向けのものと、高校の学業がとても優秀な人を対象としたものに大きく分けられる。前者では、たとえば交通事故などで片親世帯となり家計が苦しいという人に対しては「あしなが育英会」が奨学金制度を実施している。また、後者については、大学進学者を対象としたものが比較的多い。

 さらに、各都道府県や区市などが運営するものもある。その多くは貸与型となっている。そのなかで多いのが、家計が苦しい家庭の子供向けの奨学金制度だ。奨学金ではないが、各都道府県では各福祉保健局などが窓口となり、「母子・父子家庭」の子どもを対象とした福祉資金の貸し付けを行っている。該当する人は問い合わせてみるとよいだろう。

日本学生支援機構の奨学金制度の内容をチェック

 上の表のように、貸与型には2つのタイプがある。第一種は返済時に利息がかからない。そして、第二種は利息がかかる。といっても、第二種の利息はとても低く設定されている。ちなみに、第一種と第二種の両方を利用することもできる。しかし、この場合、利用条件は厳しくなる。

 両方とも利用するに際しては、学力と家計基準が設定されている。それぞれを見ると、第一種のほうが第二種より厳しい。特に第一種は高校等の成績が5段階評価で平均3.5以上と決められている。また、家計基準をると、第一種は第二種に比べ、より家計が苦しい家庭を対象としている。

なお、同機構によると、第一種、第二種の利用者数はそれぞれ約48万人、約87万人となっている。つまり、第二種(利息あり)の利用者が圧倒的に多い。

 詳細は同機構のパンフレットやホームページで確認しよう。そして、もし疑問点などがあるときには、高校の窓口に問い合わせるか、直接、日本学生支援機構に聞いてみよう。

実際に利用する際によくある疑問とは?

Q.「いつ、どうやって申し込みすればいいの?」

  申し込みをする時期はタイプごとに3つある。

  • 高校生か浪人生が来春の進学を見込んで、あらかじめ申し込むタイプ(予約採用)
  • 来春、進学した後、すぐに在籍する学校から申し込むタイプ(在学採用)
  • 進学後、家計などが急に苦しくなり緊急に申し込むタイプ(緊急採用)

いずれも申し込みは自分が在籍している学校を通じて行う。詳細は高校に確認しよう。必要な申し込み手続きを行うと、審査が行われ、採用かどうかの結果を待つことになる。
 予約採用では第一種と第二種の募集時期が若干異なるので注意が必要だ。高校により多少のズレがあるが、第一種は5月から7月中旬にかけて、第二種は5月から12月上旬にかけて行われる。
 もし申し込みが終わっていた場合は、来春、進学先ですぐに申し込めばよい(在学採用)。

Q.「審査に引っかかって奨学金を受けられないことってあるの?」

  第一種は家計の状況により判断されるが、第二種については希望するほぼ全員が利用できているのが現状だ。

Q.「実際にいくら借りられるの?」

  いずれも月額で
第一種(利息なし)
  → 自宅生は2万円~5万4千円まで
自宅外通学生は2万円~6万4千円まで
第二種(利息あり)
  → 2万円~12万円(1万円刻みで選択できる)

 もし、月額8万円の奨学金(第二種)を4年間利用した場合、卒業後に変換する総額は395万0009円になる。月々の返還額は1万6,458円になり、20年間返済することになる。  あくまでも貸与型は借金をすることに他ならないわけで、将来長い年月をかけて自分自身で返していくことを考えると、必要な額だけ借りることが絶対条件であろう。