【3月 高校受験通信】 北辰テストとは? その解答戦術

北辰テストとは? 毎回受けるべきなのか?

 中学3年生は、4月から毎月のように北辰テストが行われます。ご存知のように、北辰テストとは埼玉県全県偏差値を出す会場テストのことで、その偏差値は県内では最も信頼性が高いと言われております。

 そのため、志望校診断には必須の資料であります。この数値をもとに自分の現在の実力を知り、志望校を決定していくことになります。

 さらには私立高校は北辰偏差値を合否判定資料としております。私立高校の指定する偏差値を北辰テストでクリアして、個別相談会でその旨報告すれば、合格の確率が一気に高まるのです。私立高校は、北辰テスト結果の上位2回平均(大体7月以降)を判定資料の数値としますので、なるべく毎回受験したほうがその確率も高まると思われます。

「北辰テストは毎回受けたほうがいい」という話をお聞きになる方も多くいらっしゃるでしょうが、このことがその理由なのです。

 今月の受験通信では、北辰テストで少しでもいい点を取るための解答戦術をお伝えします。当然ウィルからも生徒の皆さんにお話ししておりますが、保護者の皆様にも情報としてお伝えいたします。

数学

 北辰テストの数学は、大問1が計算問題と一行問題になっていて、大問2以降では「文章問題(方程式,主に速さ)・図形問題(証明)・グラフと表を用いた関数の問題」などが出題されます。

 数学が得意な生徒にとって、気をつけなければならないのは、数学には正答率1%以下の超難問が用意されているということです。試験時間も限られているなかで、その超難問の罠に引っかかって他の問題に取り組む時間が無くなったなんてことがないように、「解く問題・解かない問題」の見極めが重要になってきます。

 まず、1周目は直感で解ける問題のみを解答して、2周目に「ちょっと考えれば解けるかな」という問題に取り組むようにしましょう。それで時間があまったら熟考して解く問題に取り掛かります。

 数学が苦手な生徒は、「北辰テストの数学は大問1を全部正解すると平均点が取れる」という北辰テスト数学の特徴に光明を見出しましょう。つまり、計算問題と一行問題の対策をしっかり行っておけば高得点を獲得できるのです。さらに、大問2以降でも(1)の問題は一行問題レベルの難易度ですので十分得点を狙える問題なのです。

 実は数学は、偏差値55くらいまでは少ない労力で狙えるのですよ。

国語

 文学的文章,漢字や文法などの語句問題,説明的文章,古文(漢文),作文の順で構成された問題になります。各回多少のずれはあるかもしれませんが、昔から大体この構成です。

 文章題は選択式と記述式が混在しており、分量も多いです。3年の夏までに、ある程度文章題に取り組むよう心がけ、それ以降は解くスピードも意識することが大切だと思います。
 漢字は日ごろからコツコツ積み上げていき、得意分野になるようにしましょう。

 文法は、その学習範囲の広さ(極めようと思ったら100hは必要)にもかかわらず1~2問の出題にとどまっているので、それほど普段の学習にも時間をかけなくていいと思います。また、その1~2問も勉強なしの初見で解けるような問題の場合も多々あります。なので、文法の勉強に時間の多くをかけるよりも他の教科学習に重きを置きましょう

 北辰テスト国語において最初のカギとなるのは「作文」です。
内容はともかく、必ず指定された量を書ききりましょう。そうすれば12点中8点以上は固いでしょう。指定された量を書ききれば、北辰テストの採点基準は結構優しいので、ひどい内容でも8点くらいは取れるのです。ただし、時間をかけすぎてはいけません。他の問題が解けなくなりますからね。作文にかけていい時間は10分(理想は7分)です。

 北辰テスト(高校入試)対策としての国語の勉強は『作文を7分で書ききる訓練』が一番重要なのだと言えます。ウィルで配られている「北辰対策プリント」の作文に毎回真剣に向き合いましょう。とにかく時間内に書ききる訓練を頑張ってください。

英語

 英語は、リスニング・会話文読解・長文読解・英作文などが出題されますが、その問題量のわりに時間が足らないという声がとても多く聞かれます。もしかしたら、5科目(昼食後)なので集中力が切れてしまうということも関係あるかもしれません。

 リスニングは毎回11問ほど出題されていますが、そのうちの半分以上6~7問は正答率7割くらいの取りやすい問題なので、リスニングは得点を稼ぐための単元であるかもしれません。

会話文や長文の問題は、解ける問題から埋めていきましょう。「よくわからないな」となったらいったん飛ばして、長文の最後まで解いてからまた戻るといった順番にしましょう。

英作文は、国語作文と違い、正答率が3割前後の難問と言えます。英語で書く力に加えて、場面を考え、想像する力も問われているからです。ウィルではまず書き方や条件作文の基礎を身につけるために英作文指導(夏期講習にて)を行います。周りのみんなができない問題を解けるようにすることが、偏差値アップの最短ルートです。

 いずれにしても、中学1年生からの文法の基礎力や単語力が、長文の多い北辰テストでは最も重要です。日本語に訳す力と英語で書く力の両方において、基礎を身につけておくことで正答できる問題の幅は格段に上がります